対岸の彼女
…葵は言葉を連ねる。「中学のとき、学校行けなくなっちゃったんだ。こわくて。そんなのきっと、ナナコにはわかんないよね。あのね、自分がどっかおかしいのはわかんの、わかるけど、でもだれもしゃべってくれないから、どこをどうすればふつうにできるかわかんないの。…
- 作者: 角田光代
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/10
- メディア: 文庫
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いじめ、もしくはそれに近いものを経験した人だったら分かるはず
これを人に話すのがどれほど恐いことか
受け止めてくれる確証なんかないんだからね
はじめの展開からいじめを主題とした小説かな?と思ったけど、違う気が最近になってしてきた
私たちはなんのために年を重ねるのだろう
なぜ私たちは年齢を重ねるのか。生活に逃げ込んでドアを閉めるためではない、また出会うためだ。
いじめって要するに、人との関わり方を問題としているわけだから、そこからじゃあそもそも何故こんな煩わしい人生続けなくちゃいけないの、っていう話だ。
進むにしたがってその都度前向きになったらいい、顔を挙げて挨拶出来る様になるから。煩わしいと感じるかもしれないけど人との会話が一番ホッとさせてくれるんだから。
それでも、見失ないそうな時はこの本を読み直せばいい。生涯の宝物ができました。