二十歳の原点

私にはあまりにも友達が少なすぎる。挨拶をかわす友達、それさえも少ない。
「独りである」ことは、何ときびしいことなのだろうか。自殺でもしようかなと思った。

二十歳の原点 (新潮文庫)

二十歳の原点 (新潮文庫)


幾度も出てくる“独り”、孤独感に押し潰されている様子が伺える

この頃から大学、対人関係、女性、アルバイト…とかなりネガティブな視点がノートに綴られている。

何ごともなく一日が過ぎてゆく。本だけが私のたより。

高野悦子さんは中学の頃からずっと読書を…何だろう、精神安定剤みたいな扱いをしているように伺える。

いや、この時代の学生みなそうだったのだろうか、ネットもゲームもなかったようだし

三十歳になったら自殺を考えてみよう。

この一行を読んで少しホッとした

少なくともそこまで生きるつもりが垣間見えたから。

自分も他人ごとでは無いかもしれないな、何だったらこの人より状況わりぃんだから

大学に入りたての頃よくきかれたものだ。「あなたは何故大学にきたの」と。私は答えた。「なんとなく」と。

激しく同意してしまう。上手いこといかなかった奴がこの問にぶち当たるみたいだ、おそらく本音だろう言い切っている

私にとって大学にくる必然性はなかった

最初から分かっていたはずなのに、そこを後悔せずにはいられないだろう。

最後に

昭和四十四年六月二十四日未明、鉄道自殺。                    (高野三郎)

で終わっている。生きていて欲しかった、是非続きを読みたいがここまで読ませて貰っただけでも有難い

御冥福を心からお祈りします